Educational Activities
今日の大学教育、とくに文系の学部・学科では、フィールドワーク(臨地研究)の重要性 (と楽しさ)が理解されているとは、かならずしもいえません。たとえば、新入生を対象 に研究活動の基礎的手法を教授する「基礎演習」といった科目では、旧態依然たる文献学 的手法のオンパレードです。わたしは、文献考証とフィールドワークは相互に補完しあう もの――文献学習だけでも駄目だし、同様にフィールドワークだけでも不十分――と考え ています。このような現状の打開策として、複雑怪奇な現代社会の理解をふかめるために 、フィールドワーク教育の確立と普及をめざし、これまで試行錯誤をくりかえしてきまし た。まだまだ発展途上ではありますが、ゼミ活動を中心に、以下、これまでの経過を報告 いたします。

【調査実習】
 2001年に名古屋市立大学に赴任して以来、自身の調査でおとずれた山口県の周防大島を皮切りに夏休みを利用して学生と国内でフィールドワークをおこなってきました。金銭的な問題もあり、2002年以降は、3泊4日程度の調査を近場でおこなっています。
 今日のわたしの研究手法の中核はフィールドワークにほかなりませんが、なにも「フィールドワーク」という手法を大学教育で学んできたわけではありません。文学部で英語学/言語学を学んだわたしにとって、「フィールドワーク」は、文字通りの試行錯誤を通じ、手探りで自己開発してきた手法です。ですから、わたしのやり方がベストかどうかは自信のほどはありませんし、そもそも、フィールドワークは方法論ですから、研究目的にそって十人十色であっていいと考えています。それでも、この20年ほど磨いてきたフィールドワークの技術は、自分なりにノウハウを抽出しうるはずです。
 わたしが調査実習を企画したのは、1)そんなフィールドワークの技術を学生につたえたい、2)学期中の学習はどうしても文献中心にならざるをえないので、短期間であっても「生活の現場」を直視することで、机上の世界と現場とを往還する機会を提供したい、3)調査報告の執筆を通じて、文献検索の方法はもとより、文筆力を向上させたい、という実践性にあります。
 2005年度から2008年度までの4年間は、フィリピン研究の先輩である中京大学社会学部(現現代社会学部)の川田牧人ゼミと合同で調査実習をおこない、報告書も合同で発行してきました。この間、川田さんのフィールドワーク観におおくを教えてもらいました。しかし、2007年度のカリキュラムで「国内フィールドワーク」という科目が新設されたことをうけ(2単位)、2009年度からは単独でおこなうことになりました。
 夏休みにおこなうという利点を活かし、将来的には全国にちらばる友人たちとフィールドワーク実習を実施していければ、と考えています。立場のことなる学生間の交流がひろがっていけば、教育効果も高まるものでしょう。
 もっとも、実習は調査地の方々の理解と協力があって実施可能となります。事実、これまでにも実習地の方々には、さまざまな形でご迷惑をおかけしてまいりました。が、さいわいにも教育の一環として大目にみてくださったこと、感謝しています。今後も、さまざまな地域におじゃますることになろうかと存じますが、ご指導のほど、よろしくお願いします。
2011
「聞き書き講座in能登2011」
今年も、能登での実習を準備中です。期日は9月19日からの3泊4日を予定しています。
2010
「聞き書き講座in能登2010」
2010年8月7日〜8月10日まで石川県七尾市で、七尾市と能登なまこ加工協同組合さんほかの支援のもと、7名の語り部さんたちの個人史の採録に挑戦しました。実習初日が勇壮な石崎奉燈祭にあたったため、期せずして石崎町の方々のおもてなしをうけることとなりました。
2009
「御前崎聞き書き講座」
2009年8月27日から8月30日まで静岡県御前崎市でカツオ節産業関係者の個人史の聞き書きを中心とした実習を、NPO法人・手火山と協働しました。実習には、地元の御前崎中学校と焼津水産高校の生徒10名も参加し、人生の大先輩のことばに耳をかたむける機会となりました。聞き書き講座の講師として、宮内泰介さん(北海道大学)と藤林泰さん(埼玉大学)も熱弁をふるってくれました。
2008
名古屋市立大学・中京大学合同調査
9月9日から12 日にかけ、滋賀県長浜市で実施しました。
2007
名古屋市立大学・中京大学合同調査
2008年9月10日から3泊4日の旅程で愛知県幡豆郡一色町の佐久島で実施しました。
2006
名古屋市立大学・中京大学合同調査
2006年、9月20日から23日まで琵琶湖の北東部に位置する滋賀県伊香郡を訪れました。
調査に協力してくださった皆様、ありがとうございました。
2005
名古屋市立大学・中京大学合同調査
2005年度から中京大学との合同調査をおこなうことになりました。
去年に引き続き、三重県鳥羽市の答志島での調査になりました。
4つの班に分かれ、答志島の社会組織や海女・漁師のこと、信仰や教育、観光について
調査をおこないました。
2004
共同調査報告「海女という生き方」PDFをダウンロード
2004年度のフィールドワークでは、三重県鳥羽市答志島を訪れました。
海女さんに着目して、答志島における沿岸資源管理を中心に調査を行いました。
2003
共同調査報告「小さなシラスの大きな世界」PDFをダウンロード
2003年度のフィールドワークでは、愛知県知多郡南知多町篠島のシラス漁に焦点をあて、
篠島の生活とわたしたちの生活の接点について調査することにしました。
2002
共同調査報告「胸に輝く貝ボタン」PDFをダウンロード
2002年度のフィールドワークでは、奈良県磯城郡川西町を訪れました。
この町では、日本でも珍しい貝ボタン製造が行われているということで、
商工会の方や、製造にかかわる方々のお話をうかがい、
また実際に貝ボタンが工場で作られる様子も拝見させていただきました。
 
【ゼミで読んだ本】
  • 2013
    年度
  • 2012
    年度
  • 2011
    年度
  • 2010
    年度
  • 2009
    年度
  • 2008
    年度
  • 2007
    年度
  • 2006
    年度
  • 2005
    年度
  • 2004
    年度
  • 2003
    年度
  • 2002
    年度
2013年度前期
  2013年3月23日に69歳で他界された村井吉敬先生の著作とその関連作品を中心に村井氏の東南アジア研究の奇跡をたどるとともに、東南アジアと日本のかかわりを問いなおします。
  1. 村井吉敬、1978、『スンダ生活誌——変動のインドネシア社会』、NHKブックス308。
  2. 内海愛子・村井吉敬、1980、『赤道下の朝鮮人叛乱—日本軍政下のジャワにおける朝鮮人軍属の抗日秘密結社とその叛乱事件』、勁草書房。
  3. 村井吉敬、1982、『小さな民からの発想——顔のない豊かさを問う』、時事通信社。
  4. 村井吉敬、1987、『スラウェシの海辺から——もうひとつのアジア・太平洋』、同文舘。
  5. 村井吉敬、1988、『エビと日本人』、岩波新書新赤版20。
  6. 村井吉敬、2007、『エビと日本人II——暮らしのなかのグローバル化』、岩波新書新赤版1108。
  7. 鶴見良行、1982、『バナナと日本人——フィリピン農園と食卓のあいだ』、岩波新書黄版199。
  8. 村井吉敬・鶴見良行、1992、『エビの向こうにアジアが見える』、学陽書房。
  9. 鶴見良行・宮内泰介編、1996、『ヤシの実のアジア学』、コモンズ。
  10. 清水元、1997、『アジア海人の思想と行動——松浦党・からゆきさん・南進論者』、NTT出版。
  11. 早瀬晋三、2007、『戦争の記憶を歩く——東南アジアのいま』、岩波書店。
  12. 村井吉敬・藤林泰編、1994、『ヌサンタラ航海記』、リブロポート。
  13. 鶴見良行、1991、『アラフラ海航海記——木造船でゆくインドネシア3000キロ』、徳間書店。
  14. 村井吉敬、2009、『ぼくが歩いた東南アジア——島と海と森と』、コモンズ。
  15. 村井吉敬、1998、『サシとアジアと海世界——環境を守る知恵とシステム』、コモンズ。
  16. 村井吉敬、2013、『パプア——森と海と人びと』、めこん。
     
2012年度前期 「宮本常一を歩く」
  前期は、高度経済成長期の前後に日本中をフィールドワークし、日本社会の変遷を記録してきた巨人・宮本常一さんの、『宮本常一著作集』第1期全25冊(未来社)を読破し、高度経済成長の現代的意義について考察します。
     
2012年度後期 「柳田國男を歩く」
  前期に読んだ宮本常一と対比させながら、また、夏休みに島根県隠岐郡海士町でおこなったフィールドワーク実習のふりかえりながら、柳田國男の代表的な作品を読みます。
  1. 『木綿以前の事』、岩波文庫、1979。
  2. 『明治大正史 世相篇』新装版、講談社学術文庫、1993。
  3. 『青年と学問』、岩波文庫、1976。
  4. 『国語の将来』新装版、講談社学術文庫713、1985。
  5. 『遠野物語・山の人生』岩波文庫、1976。
  6. 『海上の道』、岩波文庫 青 138-6、1978。
     
2011年度前期 「個人史をよむ2」
  1. 小林多寿子編,『ライフストーリー・ガイドブック——ひとがひとに会うために』,嵯峨野書院,2010.
  2. 見田宗介,『まなざしの地獄——尽きなく生きることの社会学』,河出書房新社,2008.
  3. 加藤秀俊・米山俊直,『北上の文化 新・遠野物語』,社会思想社,1963.
  4. 沢木耕太郎,『無名』,幻冬舎,2003.
  5. 石井政之,『顔面漂流記—アザをもつジャーナリスト』,かもがわ出版,1993.
  6. 水俣病患者連合編,『魚湧く海』,葦書房,1998.
  7. 松田素二,『呪医の末裔—東アフリカ・オデニョ一族の20世紀』,講談社,2003.
     
2011年度後期 「個人史をよむ3」
  1. 小林多寿子編,『ライフストーリー・ガイドブック――ひとがひとに会うために』,嵯峨野書院,2010.
  2. 宮本常一,『民俗学の旅』,講談社,1993.
  3. 加藤秀俊・米山俊直,『北上の文化 新・遠野物語』,社会思想社,1963.
  4. 吉村典子,『子どもを産む』,岩波新書,新赤版220,岩波書店,1992.
  5. 桜井厚・岸衞編,『屠場文化 語られなかった世界』,創土社,2001.
  6. 鶴見良行,『ナマコの眼』,新潮社,1990.
  7. 井上忠司,祖田修,福井勝義編,『文化の地平線―人類学の挑戦』,世界思想社,1994.
     
2010年度前期 「国家のなかの個人・個人のなかの国家」
  1. 鳥越皓之,『沖縄ハワイ移民一世の記録』,中公新書,1988.
  2. 池澤夏樹,『カデナ』,新潮社, 2009.
  3. 石原昌家,『空白の沖縄社会史―戦果と密貿易の時代』,晩馨社,2000.
  4. 奥野 修司,『ナツコ―沖縄密貿易の女王』,文春文庫,2007.
  5. 高木 凛,『沖縄独立を夢見た伝説の女傑 照屋敏子』,小学館,2007.
  6. 利根川裕,『喜屋武マリーの青春』ちくま文庫,1988.
  7. 前山 隆,『ハワイの辛抱人―明治福島移民の個人史』,御茶ノ水書房,
  8. 山形孝夫,『失われた風景―日系カナダ漁民の記録から』,未来社,1996.
  9. 桜井厚,『境界文化のライフスト−リー』せりか書房,2005.
  10. 田仲のよ,『海女たちの四季―房総海女の自叙伝』,新宿書房,2001.
  11. 小林多寿子編,『ライフストーリー・ガイドブック』,嵯峨野書院,2010.
     
2010年度後期 「個人史をよむ1」
  1. 小林多寿子編,『ライフストーリー・ガイドブック——ひとがひとに会うために』,嵯峨野書院,2010.
  2. 佐野眞一,『遠い「山びこ」 無着成恭と教え子たちの四十年』,文藝春秋,1992.
  3. 宮本常一,『民俗学の旅』,講談社,1993.
  4. 桜井厚・岸衞編,『屠場文化 語られなかった世界』,創土社,2001.
  5. 桜井厚,『インタビューの社会学』,せりか書房, 2002.
  6. 高史明,『生きることの意味』,ちくま文庫,1986.
     
2009年度前期 「鶴見アジア学」の系譜と展望
  1. 『出発』,鶴見良行著作集第1巻。
  2. 鶴見良行,1995,『東南アジアを知る―私の方法―』,岩波書店。
  3. 『べ平連』,鶴見良行著作集第2巻。
  4. 小熊英二,2002,『<民主>と<愛国>』,新曜社(第13章と第16章)。
  5. 『アジアとの出会い』,鶴見良行著作集第3巻。
  6. レナト・コンスタンティーノ(鶴見良行監訳),『フィリピン・ナショナリズム論』上巻,「フィリピン人の受けたえせ教育」,「解説」,『フィリピン・ナショナリズム論』下巻,「知識人と活動家」,「民族的自覚の問題―フィリピン史の経験」。
  7. 『バナナ』,鶴見良行著作集第6巻。
  8. 川北稔,1997,『砂糖の世界史』,岩波ジュニア新書,岩波書店。
  9. 『収奪の構図』,鶴見良行著作集第4巻。
  10. アジア太平洋資料センター編,2004,『徹底解剖100円ショップ―日常化するグローバリゼーション』,コモンズ。
  11. 『マラッカ』,鶴見良行著作集第5巻。
  12. 白石隆,2000,『海の帝国―アジアをどう考えるか』,中公新書1551,中央公論新社。
  13. 『マングローブ』,鶴見良行著作集第7巻。
  14. 『海の道』,鶴見良行著作集第8巻。
  15. 『歩く学問』,鶴見良行著作集第10巻。
  16. 佐野眞一,2001,『宮本常一が見た日本』,日本放送出版協会。
     
2009年度後期 「権力の闇・時代の闇」
  1. 吉岡忍,1986,『墜落の夏−日航123便事故全記録』,新潮文庫(よ-16-1)。
  2. 柳田邦男,1986,『マッハの恐怖』正・続編,新潮社文庫(や-8-5, や-8-6)。
  3. 柳田邦男,1997,『自己調査』、新潮文庫(や-8-14)。
  4. 佐野眞一,2008,『クラッシュ―風景が倒れる、人が砕ける』,新潮文庫。
  5. 山崎豊子,1999,『沈まぬ太陽』1〜5巻,新潮文庫。
  6. 佐野眞一,2001,『私の体験的ノンフィクション術』,集英社新書,集英社。
  7. 佐野眞一,2003,『東電OL殺人事件』,新潮文庫。
  8. 佐野眞一,2001,『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」』〈上〉・〈下〉,新潮文庫,新潮社。
  9. 佐野眞一,2000,『巨怪伝―正力松太郎と影武者たちの一世紀』〈上〉・〈下〉,文春文庫,文藝春秋社。
  10. 佐野眞一2008,『沖縄−だれにも書かれたくなかった戦後史』,集英社インターナショナル。
  11. 佐野眞一,2005,『遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年』,新潮文庫、新潮社。


2008年度前期 「『食』にみる世界システム:フェアトレードの可能性」
  1. 川北稔,1996,『砂糖の世界史』,岩波ジュニア新書276,岩波書店。
  2. 角山栄,1980,『茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会』,中公新書596,中央公論社。
  3. アントニー・ワイルド(三角和代訳),2007,『コーヒーの真実―世界中を虜にした嗜好品の歴史と現在』,白揚社。
  4. トム・スタンデージ(新井崇嗣訳),2007,『世界を変えた6つの飲み物』,インターシフト。
  5. ジャン=ピエール・ボリス(林昌宏訳),2005,『コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語―生産者を死に追いやるグローバル経済』,作品社。
  6. フェリペ・フェルナンデス=アルメスト(小田切勝子訳),2003,『食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで』,早川書房。
  7. 中村尚司,1989,『豊なアジア貧しい日本―過剰開発から生命系の経済へ』,学陽書房。
  8. 中田哲也,2007,『フードマイレージ―あなたの食が地球を変える』,日本評論社。
  9. 村井吉敬,1988,『エビと日本人』,岩波新書(新赤版)20,岩波書店。
  10. 村井吉敬,2007,『エビと日本人II』,岩波新書(新赤版)1108,岩波書店。
  11. ジョージ・リッツァ(正岡寛司監訳),1999,『マクドナルド化する社会』,早稲田大学出版部。
  12. ニコ・ローツェン, フランツ・ヴァン・デル・ホフ(永田千奈訳),2007,『フェアトレードの冒険―草の根グローバリズムが世界を変える』,日経BP社。
     
2008年度後期 「生物多様性と文化多様性」
  1. 米本昌平,1994,『地球環境問題とは何か』,岩波新書新赤版331,岩波書店。
  2. 堂本暁子,1995,『生物多様性:生命の豊かさを育むもの』,同時代ライブラリー227,岩波書店。
  3. 鬼頭秀一,1996,『自然保護を問いなおす―環境倫理とネットワーク』,ちくま新書68,筑摩書房。
  4. 鷲谷いずみ,2004,『自然再生―持続可能な生態系のために』,中公新書1752,中央公論新社。
  5. 村井吉敬,1998,『サシとアジアと海世界 : 環境を守る知恵とシステム』,コモンズ。
  6. 多辺田政弘,1990,『コモンズの経済学』,学陽書房。
  7. ミルトン・M.R.フリーマン編(高橋順一他訳),1989,『くじらの文化人類学―日本の小型沿岸捕鯨』,海鳴社。
(8)
  8. ジャニス・S.ヘンケ(三崎滋子訳),1987,『あざらし戦争―環境保護団体の内幕』,時事通信社。
  9. マーク・ベコフ(藤原英司・辺見栄訳),2005,『動物の命は人間より軽いのか:世界最先端の動物保護思想』,中央公論新社。
  10. デヴィッド・ドゥグラツィア(戸田清訳),2003,『動物の権利』,岩波書店。
  11. デイヴィッド・タカーチ(狩野秀之・新妻昭夫・牧野俊一・山下恵子訳),2006,『生物多様性という名の革命』,日経BP社。
     
2007年度前期 「宮本常一とあるく」
  1. 網野善彦,2000,『日本とは何か』,日本の歴史00,講談社。
  2. 宮本常一,1985,『塩の道』,講談社学術文庫677,講談社。
  3. 宮本常一,2005,『日本文化の形成』,講談社学術文庫1717,講談社。
  4. 宮本常一,1984,『忘れられた日本人』,岩波文庫青164-1,岩波書店。
  5. 網野善彦,2003,『忘れられた日本人を読む』,岩波セミナーブックス90,岩波書店。
  6. 宮本常一,1986,『宮本常一著作集35 離島の旅』,未来社。
  7. 宮本常一,2001,『女の民俗誌』,岩波現代文庫・社会44,岩波書店。
  8. 佐野眞一,2001,『宮本常一が見た日本』,NHK出版。
  9. 宮本常一,2001,『空からの民俗学』,岩波現代文庫・社会33,岩波書店。
  10. 鳥越皓之,1988,『沖縄ハワイ移民一世の記録』,中公新書901,中央公論社。
  11. 前山隆,1986,『ハワイの辛抱人―明治福島移民の個人史』,御茶の水書房。
  12. 中野卓,1981,『離島トカラに生きた男・第一部−流浪・開墾・神々』,叢書ライフ・ヒストリー3,御茶の水書房。
  13. 中野卓,1982,『離島トカラに生きた男・第二部−霊界・覚醒・開拓』,叢書ライフ・ヒストリー3,御茶の水書房。
  14. 宮本常一,1986,『宮本常一著作集31 旅にまなぶ』,未来社。
  15. 網野善彦,1999,『古文書返却の旅』,中公新書1503,中央公論新社。
     
2007年度後期 「佐野眞一の眼」
  1. 佐野眞一,2001,『私の体験的ノンフィクション術』,集英社新書,集英社。
  2. 佐野眞一,2005,『遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年』,新潮文庫、新潮社。
  3. 佐野眞一,2006,『大往生の島』,文春文庫,文藝春秋社。
  4. 佐野眞一,1998,『渋沢家三代』,文春新書,文藝春秋社。
  5. 佐野眞一,2003,『凡宰伝』,文春文庫,文藝春秋社。
  6. 魚住昭,2004,『野中広努―差別と権力』,講談社。
  7. 佐野眞一,2004,『だれが「本」を殺すのか』〈上〉・〈下〉,新潮文庫,新潮社。
  8. 佐野眞一,2001,『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」』〈上〉・〈下〉,新潮文庫,新潮社。
  9. 佐野眞一,2000,『巨怪伝―正力松太郎と影武者たちの一世紀』 〈上〉・〈下〉,文春文庫,文藝春秋社。
  10. 佐野眞一,2005,『阿片王―満州の夜と霧』,新潮社。
     
2006年度前期 「食とグローバリゼーション」
  1. 鬼頭秀一,1996,『自然保護を問いなおす−環境倫理とネットワーク』,ちくま新書68,筑摩書房。
  2. 沼田真,1994,『自然保護という思想』,岩波新書(新赤版)327,岩波書店。
  3. 岡島成行,1990,『アメリカの環境保護運動』,岩波新書(新赤版)142,岩波書店。
  4. 米本昌平,1994,『地球環境問題とは何か』,岩波新書(新赤版)331,岩波書店。
  5. 飯島伸子,1995,『環境社会学のすすめ』,丸善ライブラリー680,丸善。
  6. 加藤尚武1991,『環境倫理学のすすめ』,丸善ライブラリー621,丸善。
  7. 秋道智彌,1999,『なわばりの文化史−海・山・川の資源と民俗社会』,小学館ライブラリー123,小学館。
  8. 秋道智彌,2004,『コモンズの人類学―文化・歴史・生態』,人文書院。
  9. 篠原徹,2005,『自然を生きる技術―暮らしの民俗自然誌』,歴史文化ライブラリー204,吉川弘文館。
  10. 菅豊,2006,『川は誰のものか―人と環境の民俗学』,歴史文化ライブラリー205,吉川弘文館。
     
2006年度後期 「環境問題への多元的アプローチ」
  1. モリー・ハリスン(小林祐子訳),1993,『台所の文化史』,りぶらりあ選書,法政大学出版会。
  2. ジャック・バロー(山内昶訳),1997,『食の文化史―生態・民族学的素描』,筑摩書房。
  3. ポール・フィールドハウス(和仁皓明訳),1991,『食と栄養の文化人類学』,中央法規。
  4. ヨハン・ポチエ(山内彰・西川隆訳),2003,『食糧確保の人類学』,りぶらりあ選書,法政大学出版会。
  5. ジョージ・リッツア(正岡寛司監訳),2001,『マクドナルド化の世界―そのテーマは何か?』,早稲田大学出版部。
  6. エリック・シュローサー(楡井浩一訳),2001,『ファーストフードが世界を食いつくす』,草思社。
  7. エリック・シュローサー(楡井浩一訳),2002,『ファーストフードと狂牛病』,草思社。
  8. ジョゼ・ボヴェ、フランソワ・デュフール(新谷淳一訳),2001,『地球は売り物じゃない! ジャンクフードと闘う農民たち』,紀伊国屋書店。
  9. ピーター・ローベンハイム(石井礼子訳),2004,『私の牛がハンバーガーになるまで―牛肉と食文化をめぐる、ある真実の物語』,日本教文社,414頁.
  10. 島村菜津,2003,『スローフードな人生!−イタリアの食卓から始まる』,新潮文庫,新潮社。
     
2005年度前期 「フィールドワークを実践する」
  1. R. エマーソン、R. フレッツ、L. ショウ著(佐藤郁哉、好井裕明、山田富秋訳),1998,『方法としてのフィールドノート―現地取材から物語作成まで』,新曜社。
  2. J. V. マーネン著(森川渉訳),1999,『フィールドワークの物語―エスのグラフィーの文章作法』,現代書館。
  3. 松田素二・川田牧人編,2002,『エスノグラフィー・ガイドブック―現代世界を複眼でみる』,嵯峨野書院。
     
2005年度後期 「海域世界へのいざない」
  1. 高谷好一,1993,『新世界秩序を求めて−21世紀への生態史観』,中公新書1110,中央公論社。
  2. 川勝平太,1997,『文明の海洋史観』,中公叢書,中央公論新社。
  3. 羽原又吉,1963,『漂海民』,岩波新書(青版)F70,岩波書店。
  4. 武光真,2004,『海外貿易から読む戦国時代』,PHP新書291,PHP研究所。
  5. 角山栄,2000,『堺‐海の都市文明』,PHP新書104,PHP研究所。
  6. 上垣外憲一,1994,『「鎖国」の比較文明論―東アジアからの視点』,講談社メチエ9,講談社。
  7. 高良倉吉,1993,『琉球王国』,岩波新書(新赤版)261,岩波書店。
  8. 濱下武志,2000,『沖縄入門‐アジアをつなぐ海域構想』,ちくま新書249,筑摩書房。
  9. 濱下武志,1996,『香港−アジアのネットワーク都市』,ちくま新書79,筑摩書房。
  10. 白石隆,2000,『海の帝国‐アジアをどう考えるか』,中公新書1551,中央公論新社。
     
2004年度前期 「エスノグラフィーを読む」
  1. 本多勝一,1981,『アラビア遊牧民』,朝日文庫,朝日新聞社。
  2. 今和次郎,1989,『考現学入門』,ちくま文庫,筑摩書房。
  3. 柳田國男,1993,『明治大正史−世相篇』,講談社学術文庫1082,講談社。
  4. 佐藤郁哉,1984,『暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛』,新曜社。
  5. 沢木耕太郎,1984,『一瞬の夏』上下巻,新潮文庫,新潮社。
  6. 宮本常一,1984,『忘れられた日本人』,岩波文庫青164-1,岩波書店。
     
2004年度後期 「自然と人間のかかわり」
  1. 鬼頭秀一,1996,『自然保護を問いなおす−環境倫理とネットワーク』,ちくま新書68,筑摩書房。
  2. 秋道智彌,1999,『なわばりの文化史−海・山・川の資源と民俗社会』,小学館ライブラリー123,小学館。
     
2003年度前期 「環境問題を考える」
  1. 鬼頭秀一,1996,『自然保護を問いなおす−環境倫理とネットワーク』,ちくま新書68,筑摩書房。
  2. 秋道智彌,1999,『なわばりの文化史−海・山・川の資源と民俗社会』,小学館ライブラリー123,小学館。
  3. 鳥越皓之,2002,『花をたずねて吉野山−その歴史とエコロジー』,集英社新書182,集英社。
  4. 松原隆一郎,2002,『失われた景観−戦後日本が築いたもの』,PHP新書227,PHP研究所。
     
2003年度後期 「グローバリゼーションを考える」
  1. 園田英弘,2003,『世界一周の誕生ーグローバリズムの起源』,文春新書328,文藝春秋社。
  2. 吉見俊哉,1992,『博覧会の政治学−まなざしの近代』,中公新書1090,中央公論社。
  3. 伊豫谷登士翁,2002,『グローバリゼーションとは何か−液状化する世界を読み解く』,平凡社新書150,平凡社。
  4. 川北稔,1996,『砂糖の世界史』,岩波ジュニア新書276,岩波書店。
  5. 角山栄,1980,『茶の世界史−緑茶の文化と紅茶の社会』,中公新書596,中央公論社。
     
2002年度前期 「グローバルヒストリーと地域史」
  1. 川北稔,1996,『砂糖の世界史』,岩波ジュニア新書276,岩波書店。
  2. 角山栄,1980,『茶の世界史−緑茶の文化と紅茶の社会』,中公新書596,中央公論社。
  3. 臼井隆一郎,1992,『コーヒーが廻り世界史が廻る−近代市民社会の黒い血液』,中公新書1095,中央公論社。
  4. 生田滋,1998,『大航海時代とモルッカ諸島−ポルトガル、スペイン、テルナテ王国と丁子貿易』,中公新書1433,中央公論社。
  5. 濱下武志,1996,『香港−アジアのネットワーク都市』,ちくま新書79,筑摩書房。
  6. 濱下武志,2000,『沖縄入門−アジアをつなぐ海域構想』,ちくま新書249,筑摩書房。
  7. 角山栄,2000,『堺−海の都市文明』,PHP新書104,PHP研究所。
     
2002年度後期 「日本人と日本社会」
  1. 船曳健夫,2002,『「日本人論」再考』,NHK人間講座2002年6月〜7月,日本放送出版協会。
  2. 赤坂憲雄,2000,『東西/南北考−いくつもの日本へ−』,岩波新書 新赤版700,岩波書店。
  3. 網野善彦,1996,『続・日本の歴史をよみなおす』,ちくまプリマーブックス96,筑摩書房。
  4. 網野善彦・森浩一,1999,『馬・船・常民−東西交流の日本列島史』,講談社学術文庫1400,講談社。
  5. 羽原又吉,1963,『漂海民』,岩波新書 青版F70,岩波書店。
  6. 高良倉吉,1993,『琉球王国』,岩波新書 新赤版261,岩波書店。
  7. 村井章介,1997,『海からみた戦国日本−列島史から世界史へ』,ちくま新書127,筑摩書房。
  8. 佐々木史郎,1996,『北方から来た交易民−絹と毛皮とサンタン人』,NHKブックス772,日本放送出版協会。
     
【『地域研究年報』】
『地域研究年報』は、赤嶺研究室(地域研究ゼミ)の年次報告書で、ゼミ生が卒業 研究の一環としておこなった調査結果を公開する目的で発行しています。年間250部強し か印刷できていませんが、調査協力者はもとより、調査地の方々に読んでもらえるよう、 調査をおこなった自治体の図書館におさめるように努力してまいりました。号によっては 残部がある場合もございます。関心ある方は、お問いあわせください。

2011
『地域研究年報』第8号(222頁)
水野奈々子,「出稼ぎの力—ひとりのフィリピン人女性とファミリーを追って」,1-33頁.
田辺聖子,「「時」を写しだす商店街」,35-73頁.
杉浦遥,「桜井凧—過去と未来をつなぐ糸」,75-115頁.
平田恵美,「山に生きる—愛知県北設楽郡豊根村と、そこに息づく花祭り」,117-144頁.
渡邊高志,「サウンドホールから見る世界—ギターの製作から考える地域産業と資源問題」,145-166頁.
久積泉,「生きるために—激動の時代を中国社会で生きぬいた女性の一生」,167-184頁.
2010
2010 『地域研究年報』第7号(114頁)
荒島あおい,「食人魂—西尾市の抹茶・おでんによるひとりひとりのまちづくり」,1-51頁.
2009
『地域研究年報』第6号(147頁)
山田奈美「わすれられた時代―祖父の望郷をおって」,1-44頁.PDFをダウンロード
眞泉晃善「1杯のコーヒーからつながりをはぐくむ―タナ・トラジャ県におけるコーヒー産業を事例として」45-119頁.PDFをダウンロード
2008
『地域研究年報』第5号(250頁)
小見山彩子,「実践の物語−わたしの目からみたまちづくり」,1-44頁.
野々田恭子,「地域おこしをまつりで−岐阜県可児市六社神社の大例祭」,45-72頁.
大石洋子,「継承する森林−天竜の一山林保有者として森林の維持を考える」,73-112頁.
小川浩代,「伝承でつながる−伝承、それはコミュニケーション」,113-152頁.
鈴木真由美,「望郷のテニアン−南洋移民2世の個人史」,153-194頁.
2007
『地域研究年報』第4号(260頁)
野田郁子,「生産者におもいをはせる−日本におけるフェアトレードの可能性」,1-60頁.
小島知紗,「新たなる里山−バンブーインスタレーションから考える地域社会のあり方」,61-89頁.
伊藤真弓,「生産地をおもい、変えていく−一宮繊維産業の新たな挑戦」,90-130頁.
石山紘子,「レジ袋から考えるこれからのエコ・ライフ−」,131-169頁.
藤原美沙子,「動物ブームの先に待つものは−人と動物のかかわり方を問う」,170-209頁.
2006
『地域研究年報』第3号(212頁)
鄭信智,「波打際からみる世界−バリ島観光における人口移動の同時代史」,1-69頁.
平山妙子,「木曽川うかいと生きる−日本ラインを中心とした木曽川流域文化の担い手」,71-130頁.
澤入友美,「まちをつくる人たち−模索する市民参加のかたち」,131-159頁.
2005
『地域研究年報』第2号(145頁)
渡辺恵理,「エコロジーな食器産業−持続的な社会の形成にむけて」,1-27頁.
提髪典子,「古着の可能性−リデュースとリユースから考える」,29-59頁.
岡野はじめ,「豊饒なるインド」,61-81頁.
2004
『地域研究年報』創刊号(130頁)
香田祐果,「給食は学校教育か−顔の見える関係を追及した教育とその担い手」,1-51頁.
綿引慎一,「患者の人権−よりよい医療環境の創出をめざして」,53-88頁.