2019.9.10
『マツタケ』を出版しました。
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日本にやってくるマツタケのグローバリゼーションを論じたAnna Tsing (UC Santa Cruz) さんのThe Mushroom at the End of the World: On the Possibility of Life in Capitalist Ruins (Princeton Univ. Press, 2015)を3年半超しで翻訳し、『マツタケーー不確定な時代を生きる術』(みすず書房)と題して出版しました。この間、著者の歩いたオレゴン州(米国)、ラップランド(フィンランド)、雲南省(中国)を訪問し、著者の語る世界を追体験する機会にめぐまれました。本書は、複数の地域で共同研究をおこなったmulti-sited ethnographyであると同時に、人間以外の存在にも焦点をあてたmultispecies ethnographyでもあります。著者独特の、潤いある文体を翻訳しきれているか、読者のみなさんに判断してもらいたいところです。
2016.2.10
『鯨を生きる』を出版しました。
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『鯨を生きる——鯨人の個人史・鯨食の同時代史』を出版しました(吉川弘文館)。鯨肉の生産から消費にかかわる6名の鯨人の個人史を採録するとともに、そうした鯨人の個人史を近代捕鯨110年の歴史に位置づけてみました。本書で主張したかったことは、つぎの2点です。(1)捕鯨を議論するにあたっては、沿岸捕鯨と南氷洋、鯨肉生産と鯨油生産を区別することが大事、(2)鯨食は日本の国民文化ではないものの、日本には鯨食を誇りと考える地域があることも事実で、それが、かつての(または、現在の)沿岸捕鯨地である、ということです。
2014.4.1
新しい環境で新たな研究にチャレンジします。
日本財団アジア・フェローとして滞在したコタキナバルより、3月に帰国いたしました。そして、3月末をもって13年間勤務した名古屋市立大学を退職し、本日より一橋大学・大学院社会学研究科・地球社会研究専攻に勤務することになりました。あらたな任務は、「グローバル・イシューとしての環境問題」を研究・教育するとともに、アジアの研究者・研究機関とネットワークを構築することです。ライフワークであるナマコ研究にくわえ、サメとクジラの問題にも取りくむ所存です。これまで同様、日本と海外を文字通り、マルチ・サイテットに動きまわりたいと考えています。ご指導くださいませ。
2011.5.10
『ナマコを歩く』と『海參戰役』
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 わたしが、ナマコに出会ったのは1990年1月のことでした。故鶴見良行氏の名著『ナマコの眼』(筑摩書房,1990)を手にしたときのことです。
 かれの描く「ナマコ的世界」に魅せられて20年。跡追いながらも、ようやく、『ナマコを歩く—現場から考える生物多様性と文化多様性』(新泉社)を昨年5月に上梓することができました。その中文版も、財團法人中華飲食文化基金會の出版助成をうけ、群學出版(台北市)から『海參戰役―從現場思考生物多樣性與文化多樣性』(童琳・陳佳欣訳)として、5月5日に発売されました。
 ナマコは、おもに中華食文化圏で消費されています。なので、拙著の中文版が出版されたことにより、より多くの関係者からの批評が期待できます。こうした批判を糧に、今後の研究をすすめてまいりたいと存じます。
2010.4.8
『ナマコを歩く―現場から考える生物多様性と文化多様性』近刊
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1997年以来、夢中になってきたナマコ研究の中間報告がまとまりました。3月にカタールで開催されたワシントン条約では、クロマグロに関心が集中しましたが、2002年以来、ナマコも同条約の俎上にあります。日本と東南アジアを中心としたナマコの生産地と中国食文化圏におけるナマコ食文化の現場を歩き、ナマコ食文化の今日をレポートしました。本書は、ナマコを中心にあつかっていますが、マグロやクジラに象徴される水産資源としての「野生生物」の保護について、消費者であるわたしたちは、いかに考えたらよいのか、という問題を提起したつもりです。ご批判いただければさいわいです。
ナマコのまなこ Blog from the Balat's Office
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ナマコを歩くについて
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