わたしの研究活動は、フィリピン諸島南西端のマヌク・マンカウ島に暮らすサマ人たちの言語生活の記述からはじまりました。それらの研究は、おもに1992年10月から1996年11月まで留学していたフィリピン大学大学院博士課程でおこなったものです。 サンゴ礁に依存したサマ人社会での生活経験から、1997年以降は、「ナマコ」を中心に、「人間はいかに自然を利用しながら生きてきたのか」といったテーマを研究課題として今日にいたっています。これまでの研究は、海洋民族学、環境人類学、コモンズ論といった研究分野の成果におおくを負っています。 2002年にチリのサンチャゴで開催された第12回ワシントン条約締約国会議(CITES CoP12)でナマコの国際貿易規制の是非が議論されたことから、近年では、ワシントン条約に代表される国際的(グローバル)な資源管理体制とローカルに蓄積されてきた資源管理実践とのバランスについて研究をかさねています。 ナマコとのかかわりは、ライフワークだとは自負しています。ですが、これまでの研 究成果を、まずは1冊の書物(『ナマコを歩く』新泉社)にまとめることができました。 ご批判いただけたら、さいわいです。 2010年5月 |
1996年11月 | Ph.D.(フィリピン学,フィリピン大学) |
1997年4月 | 日本学術振興会特別研究員(PD)@国立民族学博物館 |
2000年4月 | 国立民族学博物館・COE研究員 |
2001年4月 | 名古屋市立大学・人文社会学部教員 |
2013年8月 | 日本財団アジア・フェロー(マレーシア) |
2014年4月 | 一橋大学・大学院社会学研究科・教員 |
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